「私たちを安心させてくれるプログレスバー」 ダニエル・エンバー Daniel Engber TED動画

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概要

コンピューターに触れたことがある人なら誰もが目にしたことのあるプログレスバー。このプログレスバーが人に与える影響について真面目に考察した動画です。UI(ユーザーインターフェイス)デザインに興味がある人にはとても興味深い内容となっています。

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スピーカー:ダニエル・エンバー / Daniel Engber

プログレスバーの登場と人々に与える効果

どれくらいの人がデスクの上で時間を過ごしているでしょうか。プログレスバーとはコンピューターの中で何が起きているのかを示すもののことです。ベーシックなものでは横棒の形をしていますが、これは台帳に横棒を書いて左から右に塗りつぶして 工場での作業の進捗状況を表していたことに由来します。1970年代になるとコンピュータのデザインは複雑になっていきました。カウントダウン時計やアスタリスクの列が横に増えていくものなど、いろんなデザインの進捗率を示す方法が模索されました。しかし誰もこういったものを体系的に調査したことがなく、実際にコンピューターの前に座っている人への影響を明らかにしようとしませんでした。1985年、大学院生のブラッド・マイヤーズがこの研究に着手します。

彼が発見したことは、表示された進捗率が正確か否かは重要ではないということでした重要なのは進捗率がそこに示されているという事実でした。画面に示された進捗率を見るだけで人々は安心したのです。これは実際にコンピュータ内部で進捗が進んでいるかどうかは関係なく、ただ座っている人の目の前で横棒が伸びていくその動き(伸びていくビーム)に目がとどまることに意味がありました。目の前で何かが進展している、ということをデスクの前に座っている人に与えていればいいのです。そうすれば、イライラしながらコンピュータの動作を待つのではなく、ちゃんと進んでいる、素晴らしいことが起きている!と自分を納得させることができます。

私たちが待つ時間を苦痛なものとしないために、プログレスバーは非常に重要な役目を担っているのです。ゴールに近づいている感覚、人はそれを見て安心するのです。

小さなデザイン、大きな役割

今回の動画を見て思ったのが、人が関わるあらゆる所にデザインがあって、小さいデザインだけどそれが大きな効果をもたらすことです。この動画を見るまでプログレスバーを意識することはなかったし、ましてやあれがプログレスバーという名前をもつことすら知りませんでした。実際には進んでいなくても、視覚的に進んだ印象を人に与えることで心理的に人を落ち着かせる効果があるとはプログレスバーもなかなかの影響力です。こうした普段気づかないようなデザインに潜むアイデアを見つけるのは楽しいですね。

英単語

 
ledgers 元帳,
percent-done indicator パーセント表記に基づく進捗率表,
asterisk アスタリスク(*記号),
constant 一定の,
mitigate 和らげる

 
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