自己成就予言と不運について 不安や心配事は脳のリソースを奪い、視野を狭める

自己成就予言と不運について 不安や心配事は脳のリソースを奪い、視野を狭める

心理学の世界では自己成就予言といって、心配事や不幸な未来(予言)を強く意識することで、本当にその出来事が発生してしまう傾向が指摘されています。本来的にネガティビティバイアスを持つ人間はマイナスな方面での自己成就予言にハマってしまうことがあるので、今回はそのまとめです。

不安症なドライバーは危険な事故に遭遇しやすい。

2016年中国のドライバー調査では、交通事故に遭うか遭わないか38名のドライバーを対象に彼らが抱いているバイアス(思い込み)と危険な運転との関係性を調べました。結果はネガティブな思い込みを抱いているドライバーほど、ネガティブなことに囚われて結果的に危険な運転(不運な出来事)に遭遇する可能性が高まりました。自分の運転に心配な人は無理して運転しない方が良いでしょう。

幸運だと思うと色んな物事に気づきやすくなり、不運だと思うと視野が狭くなる。

もう一つ、2005年ハートフォードシャー大学(University of Hertfordshire)の研究では、被験者を「幸運だと思う」と「不運だと思う」の二つにグループ分けして新聞に隠されたメッセージを探させる取組が行われました。自分のことを「幸運」だと思う人ほど隠されたメッセージに気づき、「不運」だと思う人ほど隠されたメッセージに気づく事はありませんでした。

人は身近な幸運に気づかない」傾向がありますが、これはリラックスしているかどうかに関係があります。不安や心配事を抱えているほど脳のリソースがそれに奪われ、視野が狭くなる傾向にあります。

なぜ自己成就予言が起こるのか?

なぜネガティブな方面で自己成就予言が起こるのかというとネガティブ感情に意識を向けてしまうことで周囲のことへの観察能力が下がってしまうからです。心配事で上の空で運転していれば危険な運転を犯すリスクも高まりますし、常に悪い事態を想像していれば本来発揮できるパフォーマンスも発揮できません。

怒りと同様、こうした感情は意識を向け続けることで肥大化します。「大事なことに集中する。」カル・ニューポート(著)でも言われているように、人はマルチタスクが超苦手。何かに意識のリソースを奪われていると全体的なパフォーマンスは下がります。

不安と不運は紙一重で、不安になりやすい人が不運になりやすいのは、心配事で視野が狭くなってチャンスを逃してしまうから。ということは、いかに日頃から不安対策やストレス対策、息抜きや遊びを生活の中にしっかり取り入れるかが重要になってきます。特に完璧主義の人は自分のこだわりに囚われすぎて息抜きや遊びが出来ていない事が多いので意識して息抜きしましょう!