ネガティブバイアスを克服し、自分の可能性に気づく方法

ネガティブバイアスとは自分にとってマイナスな影響を与える思い込みのこと。ネガティブバイアスに囚われ本来の自分の能力や可能性を自分で閉じてしまう人はとても多いです。今回はそんなネガティブバイアスの種類と、それを解除するために何ができるのか対処法も含めて考察します。

否定的予言


否定的予言とは、根拠もなしに「自分はどうせだめだ、うまくいくはずがない」と思ってしまうバイアスのことです。根拠がある否定的予言はその対処法や行動を辞めることで空いた時間を有効活用して次の行動に結び付けることができます。まずは根拠を探してみて、根拠が見つからないようであれば自分は否定的予言に陥っていないか疑うことが重要です。気分一致効果もあると思うので、お風呂などリラックスした時に果たしてその否定的予言には効果があるのか?と考えてみるのがいいでしょう。

「全か、無か」思考


全か無か、オールオアナッシングの考え方です。「全てを手に入れないと、一番にならないと意味が無い」と考えてしまいます。完璧主義に多く、1位や100点ではないと意味を感じる事が出来ません。ゲームで取り逃しの要素に過剰に反応してしまう人や、ダイエット中に一度食事制限を破ってしまうと毒を食らわば皿までとドカ食いをしてしまう人もこうしたタイプと言えます。ダメだと分かると極端で、常に外部の基準や誰かと比較してしまうので常にすり減ってしまいます。対処法としては、努力の過程や自分の独自性、結果までの道程に価値を置くように意識を変えていきます。結果では無く結果を掴むまでの試行錯誤に意味があるとマインドセットを変えていきます。

白黒思考

白黒思考は「良いか悪いか価値判断をしないと気が済まない」思考傾向のことです。全か無か思考と似ています。何事も善か悪かを決めないといけないという思い込みが強く、物事の良い面、悪い面を見ようとしません。一方的な価値判断は視野を狭めてしまいます。ありとあらゆる物事には良い面と悪い面があります。ケースバイケースで、状況によっても意味合いは変わります。ある側面では良い点だけど、一方では悪い面もあるのがこの世の中です。

読心(どくしん)バイアス


自分は他人の心を読めている」と思い込む傾向です。主にネガティブな方面に作用し、自分が何か失言したときや失敗したときに、「終わった!もう自分は嫌われたに違いない。周りの人から蔑まれている!」と自分で勝手に思い込んでしまいます。そもそも他人の心を読むことは非常に難しいのですが、自分は他人の心の内を読めているかのように、他人は自分に対してネガティブな感情を抱いているのに違いない、と思い込んでしまいます。実際には他人は本人ほどには他者のことを意識することはありません。対処法は思い込みの逆を考えます。「嫌われている」と思い込むのであれば、「もし好かれているのだとしたら?」と二つの真逆の視点から判断してみることが必要です。(相手に目をそらされたことを気に病むのであれば、実際には相手が自分を好きすぎて目線を逸らしただけかも知れません。)

ラベリングバイアス

ラベリングバイアスは人に対してレッテルを貼ることです。「あの人はこういう人」と決めつけ、その人の他の側面を見ようとしません。詐欺とかに騙されてしまうのもこのラベリングバイアスが働いていると考えられます。この人はピシッとしたスーツを着ているし、ハキハキと喋るし、愛想がいいから仕事ができる(信頼できる)に違いない、とか思い込んでしまいます。他にも太っている人やニートや貧乏人は仕事が出来ないと偏見を持つこと等、ラベリングをすることは無意識的に私たちの多くが行っています。克服するには、複数の別のラベリングが当てはまらないかを考えてみましょう。たくさんのラベルをはることでその人のことを複数の視点から見ることが出来ます。

個人化と外部化

個人化は全てが自分の責任と思い込むこと。外部化はなんでもかんでも他人や環境のせいにして回りが全部悪いと思いこむ態度です。こちらも白黒思考と同じく、どちらが100%悪いといったことはありえません。自分の責任だけで決まることも、他人や環境のせいだけで決まることもありません。そのちょうど真ん中ぐらいの視点を持つことが大事です。対処法は真逆に振り切った対極のバイアスを考えてみます。例えば、「自分が10割悪いとしたら?」と考えたら、「もし相手が10割悪いとしたら?」と考えます。こうすることで相手の状況も分かり、原因を冷静に捉え中間のバランスの良い視点を持つことが出来ます。

すべき思考


これは自分で勝手に決めたルールに縛られすぎることです。「今日の夜までに必ず仕上げなくてはいけない」「必ず仕事(大企業の正社員)に就かなくてはいけない」「履歴書(経歴)は汚してはならない」「30歳までに結婚しなくてはいけない」「出世して成功しなくてはいけない」「大学を出たら実家を出るべきだ」「無職なら恋人を作るべきではない」など強迫的に自分で勝手に決めたルールに縛られていきます。解決するには、まずは「世の中のルールや常識の大部分は思い込みで出来ていて、自分がそう決めているだけ」であることに気づく必要があります。自分が勝手にそうすべきだと思っているだけで、みんながそうしなくてはいけないと思っている訳ではないのです。その人にとって常識はその人の頭の中にしかありません。常識は法律のように明文化されていないことを意識し、自分だけの思い込みルールに囚われすぎていないか?を考えてみましょう。

永久思考バイアス


永久思考バイアスとは、「今の状態や問題、苦しみが永遠に続いてしまうと考える傾向」のことです。引きこもりなら「これから先もずっと無職で仕事に就くことは出来ず、恋人なんか出来るわけがない」と考えたり、失恋をした人であれば「未来永劫自分には恋人なんて出来るわけがない」と思い込んでしまいます。

対処法は日記を付けること。実際私も日記をつけていて実感するのですが、みなさんは1年前や半年前の悩みを今でも覚えているでしょうか?一年二年で状況はだいぶ変わってきます。良い状態がずっと続かないのと同様に、今の問題も長くは続かないのです(止まない雨はない、明けない夜はない!)。日記をつけて出来事や悩みを記録し、後で読み返していくことで悩みごとはずっとは続かないことが実感出来ます。もし今悩んでいるのであれば、その悩みが未来永劫、永久に続くことはありません。絶望や悶々とした状態に陥りがちな人は永久思考バイアスに陥っていないか?を意識してみましょう。

拡大化バイアス

拡大化バイアスは、一つの箇所で起きた問題が別の箇所でも起きてしまうと捉えるバイアスの事です。例えば仕事でミスをした人が、友達関係でも「自分は上手くいかないし、失敗している」と思い込んだりします。本来は相関性がない出来事なのに失敗の悪影響を感じてしまうことです。一つの失敗で、「自分の人生は失敗ばかり。もう終わりだ!」と自暴自棄になったりする時にはこの拡大化バイアスにハマっている可能性があります。

対策法は、見方を変えてみること。現実は全てが同時に悪くなることはそうそう起こりえず、何かが調子が悪いときは別の何かの分野で調子が良くなることが多いです。株価も分散投資が有効と言われているのは、全ての銘柄が暴落するのはそうそう起こりえないからです。病気で休まなければならないのであれば、仕事の面では落ちていますが、家族や休息という意味では良い方向に動いています。相関性が無い分野での繋がりやコミュニティ、場をつくるとメンタルのバランスも取れるので、副業をすることも良いでしょう。

破局化バイアス


破局化バイアスとは、最悪な状況や予想をすぐに決めつけてしまうバイアスです。否定的予言バイアスとも似ていますが、破局化バイアスは表現力・語彙力がない人が陥りやすいバイアスです。例えば、何でもかんでもすぐに最悪と言ってしまう。その人にとっては最悪以外に悪い状況を言う言葉が無いため、何でも最悪に捉えてしまいます。交通事故に遭うのも、アイスを落としたこと、急な用事が出来てカップラーメンの3分を過ぎてしまった時でも何でも最悪になってしまいます。対処法は、語彙力を身につけることです。本や小説を読んだりして的確に今の状況を細分化できる表現力を身につけましょう。また出来事を数値化することも有効です。最悪の状況を10としたら、今の状況は何点ぐらいか?と考えてみましょう。

拡張化バイアス


拡張化バイアスは、実際よりも問題を大きく見てしまうバイアスです。拡大化バイアスとほとんど似ていますね。拡大化は横の広がり、拡張化は縦の広がりで問題を大きく捉えてしまうバイアスだと言えます。例えば1キロぐらいちょっと体重が増えただけで「太った。リバウンドした!」と深刻に捉えてしまいます。対処法は身近な人に訊いてみること。「最近太った?」と訊いて、中には自分よりも3キロ太ったけど気楽にしている人もいて、「あれ?深刻に捉えていたけれど自分はまだまともでは?」と思えるようになります。自分よりも悪い状況の人をみて安心するシャーデンフロイデ(Wiki)と呼ばれる心理現象ですが、これを実際よりも物事を深刻に捉えすぎてしまう拡張化バイアスを取り除くのに有効活用するわけです。

過小評価バイアス


過小評価バイアスはその名の通り自分のしたことを必要以上に低く見積もるバイアスです。学歴や経歴などでこのバイアスに陥る人も多く、いやみに捉えられたり嫉妬を生んだりして周りとの関係も悪くなります。「自分はもっと出来たはずなのに」と自分を慰める心理が背景にありますが、過度な謙遜は良くないということです。対処法は自分に自信を持ったり、自己効力感を磨くのもいいでしょう。

サンクコストバイアス

サンクコストバイアスとは、自分のこれまで捧げた労力で未来の行動を決めてしまうことです。これは損切りができない人の心理と同じで、これまで労力や投資をした対象の価値を大きく見積もってしまい、本来なら金銭的、時間的、精神的に損失が出て結果も出ないのに(サンクコスト=埋没したコストが出ているのに)、その行動への投資や行動を辞められない状況です。コンコルド効果(Wiki)などがそうですね。これまでかけた時間や労力が勿体ないと感じるのは自然なこと。これに対処するには今の状況と未来を冷静に見つめ直すことが必要です。紙に書き出すのがいいでしょう。

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参考・出典

・メンタリストDaiGoの「心理分析してみた!」「ネガティブバイアスから脱出して自分の可能性に気づく方法」2018年10月放送分