何度も接触することで好感度UP? 単純接触効果と好き嫌いについて

皆さんは単純接触効果を知っていますか?単純接触効果はポーランド生まれアメリカの心理学者ロバート・ザイアンス(Robert Zajonc 1923年11月23日 – 2008年12月3日)が提唱した「その対象に何度も接することで、そのとき持っていた感情が増幅される」心理傾向を示した概念で、ザイオンス効果とも言われています。

友達が映った写真は自然でいいと思うのに、自分の映った写真には違和感を感じるあの感覚です(鏡の姿の方が見慣れているから)。私たちは普段見慣れたものほど好感を持ちます。声も同じで自分の録音された声に違和感を感じる人も多いはず。

単純接触効果とは

この単純接触効果は「その時その対象に感じていた感情が増幅される」のがポイントで、最初に抱いた印象が「中立~好印象」だった場合はプラスの感情逆に「悪い印象」だった場合はマイナスの感情が増幅されます。

ザイアンスさんの実験(University of Michigan June1968)では漢字になじみのない学生に、漢字のイメージを提示し、接触回数と好感度の関係を調べました。

欧米圏の学生にはなじみのない漢字の印象度と接触回数の関係を調べた。

 
結果的に、学生は漢字の持つ意味が全く分からないのに、単純に接触回数が多かった漢字の印象度が高まりました

応用範囲は幅広い

この単純接触の効果は広告の分野でよく用いられています。何度もテレビやYoutubeの広告を見ることで、いつしかそのCMに使われている人、曲、商品に好印象を抱くようになるのです。広告主としては、単純にその商品と接している回数が稼げればその商品のプロモーションとしては大方成功している訳です。

人間関係においても同じで、人と仲良くなりたいのなら、一緒に過ごす時間・機会を増やすことが近道であると言えます。

ただ、もし最初にネガティブな印象を与えてしまった場合、その印象を挽回するような機会がなければうるさいテレビCMで流される商品の印象が悪くなるように、負の方向に作用してしまうことがあります。

Robert F. Bornsteinさんのメタ分析に寄れば、10回から20回がこの単純接触効果を最大限に活かす回数とのこと。あまりにも多い回数だと飽きが来て、うざがられて不快な方向に作用します

発展:近接性の原理と近い内容?

今回の単純接触効果は、アメリカの社会心理学者セオドア・ミード・ニューカム(Theodore Mead Newcomb、1903年7月24日 – 1984年12月28日)が提唱した近接性の原理 (proximity principle) と近い関係があります。近接性の原理は「人間は近くにいる人ほど好意を抱きやすい」というもの。席が隣だったり、近所に住んでいることで自然と会話したり接触する機会が増える為に好意を抱きやすくなるのだと考えられます。

応用してみる

・友達になりたい人がいたり、気になる人がいたらその人のいる近くの席に座るようにする。
・人間関係を維持したい・築きたいのなら、コミュ力ではなく接触回数が必要。関係を維持したい人にはLINEやSNSで1~2週間に一回は連絡をとってみる。
・苦手なモノは自分の気分のいいときにちょくちょく接することで克服できる。

参考

Journal of Personality and Social Psychology. Monograph Supplement. ATTITUDINAL EFFECTS OF MERE EXPOSURE ROBERT B. ZAJONC
University of Michigan June1968 (ザイオンス効果の論文pdf)

ロバート・ザイアンス Wikipedia
単純接触効果(Mere-exposure effect) 英語版Wikipedia
Exposure and Affect: Overview and Meta-Analysis of Research, 1968–1987(単純接触効果のメタ分析)
セオドア・ニューカム(Wikipedia)
「最高の体調 ~進化医学のアプローチで、過去最高のコンディションを実現する方法~ (ACTIVE HEALTH 001)」鈴木祐 (著) クロスメディア・パブリッシング(インプレス) (2018/7/13)