【勉強会】中国モバイルゲーム市場(アプリ配信)の今 感想とまとめ

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中国モバイルゲームアプリについての勉強会
4月3日(水)にアカツキで行われた中国モバイルゲーム市場についての勉強会に行ってきました。中国でアプリを出すことはどういうことかについて発見があった回でした。会場のアカツキ(東京大崎,目黒)はスマフォゲーム「ドラゴンボールZ ドッカンバトル」や「ロマンシングサガリユニバース」で好調なアプリ事業会社。

講演者

中国パブリッシャーJoyPac 劉幸(リュウコウ)
ゲームメディアSQOOL 加藤賢治

中国は想像以上に参入障壁が高い

本勉強会で学んだ内容を一言で言うと、「想像していた以上に参入障壁が高い」ということです。FacebookやTwitter、Googleといった世界で一般とされるアプリはブロックされており、チャットアプリでは「Wechat」、ショッピングでは「Taobao」など、似たようなサービスを中国企業が提供している物を使うことになります。そして中国でネットを展開するには必ず国家の許可を得なくてはなりません。ただのウェブサイト運営にもライセンス許可が必要で、ライセンスが無い状態だとサーバーを停止されたり、莫大な罰金を支払わされたり非常にリスクが高いと言います。

認可を得る段階でも中国資本が入ったパブリッシャーを通す事が必要であり、ゲーム運営をするに当たっては100%中国の資本をもつ会社が申請手続きをしなくてはなりません。また、ゲームアプリ以外の、たとえばツール系のアプリについては海外製のものは全滅状態だと言います(ランキングトップ100に入ることすら出来ていない)。

中国でゲーム運営をするための5つのライセンス

中国でゲーム運営を展開するには以下の5つのライセンスが必要となります。
1.文化部インターネット文化運営許可証
2.ICP:ICP登録&ICPライセンス
3.著作権証明書
4.ゲーム版号:審査文号と国際標準書号(ISBN)
5.文化部ゲーム登録

ゲーム運営以外の普通のサイトの運営でも、中国でインターネット展開(eコマースなど商用利用)をしたければICP登録は必須で、ゲームとは違い中国資本100%は求められてはいないものの、ある程度中国資本を入れて申請する必要があります。ただ、やはり何をするにも中国は審査や認定が必要であり、現地の法律に違反しないコンテンツ内容であることを証明しなければなりません。個人や企業が気軽に中国でインターネット展開はできず、認可を受けたことを示す文言をサイトのどこかに表示する必要があります。

中国国内では中国国内のVPNを通さなくてはならず、ブロックされるFacebookメッセンジャーなどのアプリでは連絡が取れなくなります。政府の監視をしっかりと受けた上で手続きを進めなくてはなりません。

これらの手続きを無視して無許可で運営すると大きな罰則があり、リスクに合わないのだそうです。

また、コピー大国というイメージの中国ですが、著作権証明書を取得することでコピーした側のアプリを削除要請できたり法律に訴える事が出来ます。これを取得しないとパクった相手事業者に対してどうにもできないため、必ず取得する必要があります。

Androidはストアが複数あり複雑。iOSはシンプル。どちらも人口パワーで桁違いな利益。

中国ではAndroid展開が複数のストアが併設され(40以上?)カオスな状況に。iOSはシンプルに統一されています。日本もアプリゲーム関連はものすごい額の市場規模ですが(参考)、中国の場合は人口パワーがものすごくて、経済規模も大きいという印象。

■数字で見る中国市場(出典はJoyPac)
中国人口は13.9億、iPhone(iOS)で1.8億、Androidで5.5億、モバイルゲーム人口は6億、カジュアルゲーム市場は1465.23億、広告マネタイズ市場規模は332.6億

まとめ 許可取りや資本の問題でかなり参入障壁が高い

中国は人口パワーで市場規模も大きくビジネスとしては可能性を感じますが、現実は中国当局の許可や認可の取得が想像以上で、かつ中国資本を入れなくてはならないため非常に困難であることが分かりました。今回講演してくれた中国パブリッシャーのJoyPac社は2018年創業。新しい企業ですが、どんどん大きく成長していくことを目標とのことでした。

後半は本勉強会を企画したSQOOL代表加藤さんから、中国と日本の違いなどについて話を聞くことができました。中国のゲーム関係者は日本のアニメや漫画、ゲーム文化で育った人が多く、思いのほか日本語を喋ってくれる人が多いのだとか。ただ、分からない事はキチンと伝えないと相手に通じないことと、ちゃんと契約書をしっかりと読み込んで疑問点を無くすことは非常に重要だと言います。日本と中国のスピード感の違いでは、中国は決定から行動まで秒で動くのに対し、日本側は意志決定から行動まで遅いため、中国側の企業から契約義務を怠っていると一方的に見られることもあるのだとか。その逆に日本のIPものの扱いについて中国企業は日本企業の想定を超えた使い方をすることもあるので、しっかりとお互いに話して情報交換することの重要性を強調していました。中国のゲームの祭典ChinaJoy(公式)の写真なども紹介され、圧倒される市場規模の大きさを感じ取ることができました。

参考・出典

中国パブリッシャーJoyPac
本勉強会を企画したSQOOL
開催協力 Unity
Peatixイベントページ(【増席】中国モバイルゲーム市場の今 4月3日(水)19時〜/定員80名 / 中国パブリッシャーJoyPac&日本ゲームメディアSQOOL(無料))