黒川塾57「岡本吉起新春放談かく語りき・2」に参加してきた

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1月19日(金)に東京ネットウエイブで行われた黒川塾57「岡本吉起新春放談かく語りき・2」に参加してきました。

黒川塾はゲームとエンターテイメントを考える勉強会で、普段は絶対に知り合えないような業界の第一人者から話を聞くことができ、今後のエンタメ業界やクリエイティブな発想、会社やビジネスについての多くの示唆を得られ大変ためになっています。私は去年から参加していますが、もっと早くから参加していれば良かった!と思っています。

今回はほとんどが記事にできないことばかり

今回は岡本さんにとって第2回目の黒川塾の登壇とのこと。終始リラックスモードで会話がすすめられました。今回は特にSNSやブログに載せるにはカットせざるを得ない話が多く、とても公にはできないような刺激的な話が多かったです。そういった話が聞けるのも実際に足を運んで参加した価値がありました。

ソーシャルゲームはいかに課金者に気持ちよくなってもらうかが重要

モンスターストライク(公式サイト)で大成功した岡本さんですが、曰く「ソーシャルゲームでは課金者をいかに気持ちよくさせるか」に重点を置いているそうです。ソーシャルゲームで課金したい人は、課金して気持ちよくなりたいから課金をするので、「課金しても勝てないようなバランスでは課金した意味が無い」とのこと。

「ソシャゲ開発ではついついバランスを取りたくなってしまうが、究極のところは課金者が気持ちよくなること。」
「無課金、非課金の人は、スーパー課金している人には絶対勝てない。課金者とすれ違ったときに、風圧でグチュって死んでしまうぐらいのゲームバランスでいい。」
「人は気持ちよくなりたいから課金する、それだけ。バランスを取るのはアーケードで、バランスを崩すのがソーシャルゲーム。」
「ゲーム開発者はついついバランスを取りたくなってしまうが、 いかに課金者に気持ちよくなってくれるかが大事。いかにバランスを崩して課金してもらうか。 課金してもらって気持ちいいと思ってもらうか。 課金することで人は「気持ちよく」なりたい。」

課金者の課金によって基本無料ゲームが支えられているので、課金者優遇はビジネスとしてゲームを提供するのなら当然とも言えますね。

今後の展望

これまで岡本さんはアーケードでは「ストリートファイター2」、家庭用ゲームでは「バイオハザード」、ソーシャルゲームでは「モンスターストライク」といった作品をプロデュースしトップヒットを成し遂げてきました。既に3冠を手にした岡本さんは今後の展望として、岡本さんはギャンブルと成人向け(エロ)の二分野でヒットを飛ばしたいとのことでした。今まで手を出したことが無いところにゲームクリエイターとして本気で作ったらどうなるんだろう?との考えで新しい分野に挑戦していくとのことです。

「(業界に元いる人からは)おまえらなんか通用するかって思われている。ゲームやっていたやつのエースは行かない分野。携帯アプリもそう。エースは行かない市場。通用しないとは言われたくない。(異業種に)違った経路から成長してきた人間が入ると何らかの化学反応が起きるのでは?自分もドキドキできるのでは?」

パチンコなどの遊技機の業界は警察の規制が入り、法律がとても厳しく勉強することも多いのだとか。特に業界の自主規制が法律以上に学ぶことが多く大変とのこと。パチンコ・パチスロだけではなくオンラインカジノまで全部混みで色々と考えているとのこと。

「俺たちが伝えたいものとして、手が震える、のめり込める、当たりがきたらイエス!と喜べる、そういうマシン・ソフトを作りたい。」

でっかいビジョンを持って、逆算することの重要性

岡本さんの話で特に印象に残ったのが、大きくでっかいビジョンを最初に設定してそこからの逆算で行動を決めていく、ということでした。

ストリートファイターの場合だと、内気なオタクたちがゲームセンターで全然知らない人と100円コインを払いつつ、チャレンジャーとして戦って「はどうけん!」を打ち合っていることをイメージしたのだとか。

岡本さんはかつて町並み全部をデザインできる建築家になりたかったらしく、ゲームでも仕組み作りのほうが好きだといいます。

ゴールとして社会現象をイメージしてから逆算思考することの話はとても興味深く聞けました。

世界観作りのヒント

ゲームの世界観作りの話では、IPを活用することでユーザーに説明するコストが省けるのが大きなメリットという話が印象に残りました。ドラクエやガンダム、ドラゴンボールといった既に知られ渡っているIPはユーザーの方でどういった世界観か、どんなキャラクターなのかが知られ渡っているため、わざわざゲームの中で語らなくても良いのがメリットのこと。この勉強コストが減れば減るほどユーザーにとって没頭しやすくなるゲームになるそうです。世界観の説明コストを浮かせた部分に、複雑な遊びを組み込めるようになるとのこと。

IPものの欠点として、IP所有者の監修が入ってしまうと途端に面白いゲームを作るのが難しくなってしまうのだとか。

「(例として某ネズミのゲームをあげて、)監修側からうちのネズミはそんなジャンプの仕方はしないと言われる。でも、いいじゃねぇか、新しいジャンプを覚えても。」

監修が入ることで、そのIPの持つ”慣習”を守る流れになり、新しいクリエイティブな試みができなくなることを危惧していました。”慣習”が無いからこそ、新しいものが生まれる素地ができるのですね。

天才は褒めて育てる。

最後に印象に残ったのが人材育成の話です。岡本さんは人を減点法で評価しないことをポリシーにしているとのこと。

「人を評価するときは、加点法にする。減点法にしない。天才にはできないところが一杯ある。いちいち欠点を指摘していたら、天才が育たない。」

欠点をとがめるより、長所を伸ばして戦力にしていくことが大事なのでしょう。特に一部の能力が特化している天才レベルともなると、欠点も目立ってしまいます。褒めて育てることで十分に能力を発揮してもらうことが全体にとってプラスになるのですね。

感想

実は私自身は岡本さんのコンテンツをあまり遊んだことが無いのだけれど、今回の黒川塾でヒットコンテンツを作り出す上での熱量、エネルギーを体感できたのがとても良かったです。岡本さんは余ったお金で寄付もしていて、子供食堂にたくさん寄付をしているのだとか。寄付するときもちっぽけな金額をコツコツ寄付するのでは無く、まずは自分がでっかくビックになって成功してから余ってこぼれ出たお金で寄付することの話が印象に残りました。「まずは自分の成功を第一に努力して大きく稼いで大きく社会に還元する」発想がダイナミックでシビれましたね。今回はお金の話や税金の話などあまり公にできない生々しい話もたくさん聞けたし、岡本さんはいい意味でトリッキーでずる賢く、メンタル的にもタフな人であることがひしひしと伝わってきて、こういう生き方、人生もあるんだな〜といい刺激をもらった回でした。私も見習うべきところは見習おうと思います!

◆参考リンク

黒川塾57 案内ページ
岡本吉起 Wikipedia
Appliv Gamesのレポート記事

 
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