複雑な事象にシンプルな解決策「SIMPLE RULES シンプルルール」書評とまとめ


「SIMPLE RULES シンプルルール「仕事が速い人」はここまでシンプルに考える」を読了したのでそのまとめと学んだことをレビューをします。一言でまとめると、「素晴らしい成果を上げるためには複雑な物事の中にある本質を捉え、シンプルなルールを作ることが大事である」ことが本書の一番言いたいことでした。

◆書誌情報
「SIMPLE RULES 「仕事が早い人」はここまでシンプルに考える」
著者:ドナルド・サル/キャスリーン・アイゼンハート
監訳社:戸塚隆将(とつかたかまさ)
2017年8月18日 三笠書房 

どんな複雑な問題でも解決できるルールとは?

問題解決をするために私たちはつい複雑な方法でそれを解決しようとしがちですが、実はシンプルな解決策を求めた方が上手くいきます。本書では、シンプルなルールの特徴として、以下の4つの特徴を示しています。

成果を生み出すシンプルなルールの特徴
1,ルールの数が少ない
2,使う人に合わせてカスタマイズできる
3,具体的である
4,柔軟性がある

このシンプルルールの特徴として分かりづらいのは4番目の柔軟性でしょうか。これは一度決めたルールに縛られずに、時と場合に応じて柔軟に改善していくことが大事であることを示します。1番目のルールの数については、決まり事の数を少なくすることで負担を減らせることを示し、2番目のカスタマイズについては他の人にとって有益なルールでも別の人には調整が必要なことを意味します。3番目の具体的であることは、ルールを明快にすることでいざ実行するときに何をするのか迷わずに実行できることが重要であると私は解釈しました。

著者はシンプルなルールが成果につながる根拠を自然界に求め、空を飛ぶ鳥の群れやアリやミツバチといった昆虫が本能にそったごくわずかなルールしか実行していないことを例に挙げ、いかにシンプルなルールが時間を節約し効率的で結果につながるのかを紹介しています。

本書は筆者の言うシンプルなルールを適用した結果をまとめた具体例集とでも言ってもいいかもしれません。ありとあらゆる場面でシンプルルールを適用した具体例が延々と書かれています。

私なりに本書の具体例から学べたことを読み解いてみると、
・「単純明快」は力。
守るべきルールは少なければ少ないほどよい
・損切りといった引き際の場面は「境界線ルール」として事前に決めてちゃんと守ることが大事。
制約を設けることがクリエイティブにつながる
成功者はルール作りが上手い
・成功例を分析するときは、その背景にあるシンプルなルールは何かを考えてみることが大事。
・ルール設定は大事だが、ルールを決めることが主役になってはいけない。(計画だけ作って満足しない)

本書はシンプルな問題解決思考アルゴリズムの実践集とも言えるでしょう。テクノロジーに詳しい人が読めば機械学習、AIの分野にも応用できそうです。この本を読んで、困難な状況に陥ったときは行動の指針となるシンプルな行動規範を見直そうと思えるようになりました。人生の価値観であるコアバリューの話ともつながる内容だと思います。

総評

お勧め度(10段階) ☆☆☆☆

本書のエッセンスは「複雑な物事にはシンプルなルールで対処しよう」の一言にまとめられます。本書を評価している声も多く、期待して読んだのですが正直私としてはそこまで新しい驚きや発見は得られなかったです。というのも、本書の内容の大半がシンプルルールの個別具体例で占められており、その適用例がどれも多種多様な範囲にわたっているので、散漫な印象を受けるからです。

この本を読んだ後に、いざ自分の実生活にシンプルルールを応用できるかと言えばちょっと難しいと思います。具体例は豊富なのですが抽象的な記述が少ないので、個人でこの本の内容を応用するのであれば、この本で紹介されている具体例から自分の生活に適用できる形に落とし込まなくてはなりません。

シンプルさを自分の生活に取り入れたいのであれば、まず自分の要らないものを処分すると言ったモノを減らす過程を踏んだ方が人生の取捨選択能力やシンプルに物事を考える力が身に付くのではないかと思いました。片付けの過程で自分がこれまでどんな価値観で生きてきたのかを見つめ直す事が出来るからです。

ただ、具体例が多いとうことは裏を返せばありとあらゆる場面でシンプルルールが適用できるということです。問題解決のルールブック・具体例集としてあらゆる状況のシンプルな解決策の具体例を知りたい方は読んでみるのもいいのではないかと思います。